2008年2月29日金曜日

左手のフレームを確実にする


ロバート・ガールの『ヴァイオリン練習の技法』Art of Practicing the Violin: With Useful Hints for All String Players(←リンク先は日本のアマゾンですが、高価な古本しか出てこないかもしれません。その場合は米アマゾンあたりで探された方ががよいでしょう)が面白い。そこに出ていた左手の練習法の一つがこれ。
ガールはまずは左手の4本の指の位置のパターン分類から始める。パターン1から3は、1指と4指の間が2全音半となる基本とも言うべき形で、3、4指の間が半音となるのがパターン1。ここまではどこにでもある着眼かもしれない。

で、まずはそのパターン1で、二本の弦を1指で5度把弦したまま、その高い方の弦で4指まで行って帰ってくるだけの練習。半音ずつ上がっていってはこれをやる。G線D線で始め、4、5ポジションまで行ったら隣の弦(D線A線)に移る。譜面に書くと上掲画像のようにややこしくなるが、非常にシンプルな練習だ。

これは左手のフレームを確かなものにして、正確なイントネーションを作っていくうえで、非常に効果的な練習だと思う。パターン1〜3では、4指を押さえたとき、1指とオクターブになるわけで、純正さが簡単に分かる。この練習をやってみて、4、5ポジションあたりで、自分のフレームが微妙に狂っていることがたちまちはっきり分かってびっくりした。一発で正確に取れていないのだ。このあたりのポジションでの、左腕の入りこみ具合についての感覚が、ほんのちょっとズレているらしい。

こんな恐ろしく基本的なところに穴があったか、という発見(うう)。フレッシュでも小野アンナでもスケールを真面目にやっていればこんな欠点はおのずと修正されていたはずなのかもしれないが、怠け者のぼくはそれをあまりちゃんとやってこなかった。それに、ただのスケール練習では、この狂いは自覚しにくい。この練習をしばらく続けて治療することにしようと思う。

ガールの上掲書には、他に、ボウイング、初見、暗譜などの効果的な練習のしかたが紹介されている。まだぱらぱらとしか見ていないのだけれど、なかなかイイです。ボウイングのみに特化したThe Art of Bowing Practice: The Expressive Bow Techniqueもある。

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